白内障はまた手術できるのですか?
2011年7月20日(水)
白内障手術は、濁った水晶体(レンズ)を取り除き、代わりに人工の眼内レンズを挿入します。基本的に手術は一度しか出来ません。もう一度手術を行わなければならないのは、術中合併症により眼内レンズを入れることが出来なかった場合、術後眼内レンズが眼内に落下した場合、眼内レンズの予想屈折度が大きくずれた場合(近視を予定して遠視となった場合など)、眼内レンズが濁った場合など特殊な場合に限られます。これらはいずれも術前に必ずしも予想や予防出来るとは限らず、手術の失敗とはいえない場合も多々あります。
術後しばらくの間はよく見えていたのに、その後徐々に視力が低下してきたとすると、後発白内障であるか、眼底(視神経・網膜)に異常がある場合が考えられます。後発白内障の場合は、先にお話した通りレーザーで治療出来ます。眼底の異常の場合は、治療を行っても視力は回復しない場合もあります。
年齢とともに眼底疾患の頻度も増加します。緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症などが代表的です。眼底疾患では白内障手術でレンズを交換するように、視神経や網膜を交換するような手術は出来ません。病気の進行を遅らせたり、勢いを落ち着かせるのが治療の目的となります。これらの病気の早期発見のためにも、白内障手術後しばらく経過した後にも、定期的に検査を受けられるのがいいでしょう。